https://doi.org/10.24546/00200527
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抄録 |
著者らが開発した限界状態計算プログラムCRIT 1を用いて, 透水係数が深さ方向に漸変する地盤の多層系近似精度について考察した。今回は, 以前理論的に解析を行った双曲線変化で, 押えフィルターのない場合について考察を行った。押えフィルターがある場合には押えフィルターの有効上載圧pが大きくなるほど多層系近似精度がよくなる。したがって, p>0の場合には, 地盤を同じ層数に近似してもここで述べたより以上の精度が得られるものと考えられる。ここで得られた結論をまとめると次のようになる。(1)等価透水係数k_<av>はk_rの大きさによらず多層系近似した場合も正確に計算される。これは, 一般的な場合にも言え, 透水係数k_jの算出式として(4)式を用いたことによるものと考えられる。(2) 0.0<k_r<1.0の場合, すなわち, 地盤が最上端で限界となる場合 : (i)限界水頭差h_cに関しては, k_rの値にもよるがおよそ50層以上にすれば, 相対誤差|R_2|を1%以下にすることができる。(ii)最下点限界の最小有効上載圧p_<1c min>の多層系近似精度が非常に悪い。とくに, 0.0<k_r<0.05の場合には, 1000層以上にしなければ相対誤差|R_3|を1%以下にすることができない。(iii)限界時の残留鉛直有効応力分布の面積S_<res.>に関しては, k_rの値にもよるが, 149層以上にすれば相対誤差|R_4|を1%以下にすることができる。また, 289層以上にすれば, |R_4| <0.5%とすることができる。(iv)限界点の位置z_tに関しては, 100層以上にすれば, 相対誤差|(R')_5|を1%以下にすることができる。限界点が最上端にある場合には常にこのような結果になる。また, この場合がz_tに関する相対誤差が最も大きい。k_r>1.0の場合については, 次の(3)で述べられるが, 地盤は最下点で限界となる。地盤が中間点で限界となる場合には, これらの場合の中間に位置する。この場合には, 最上端で限界となる場合よりも近似精度がよくなり, 1∿100層以上にすれば, |(R')_5| <1%とすることができると考えられる。(3) k_r>1.0の場合, すなわち, 地盤が最下端で限界となる場合 : (i) h_c, p_<1c min>, z_tの値が正確に計算される。これは一般的にも言える事柄であり, 最下点で限界となる地盤の場合には, 多層系近似によっても, k_<av>, h_c, p_<1c min>, 及び, z_tがすべて正確に計算される。(ii) S_<res.>に関しては, 近似精度が非常に良く, 10∿11層以上にすれば, 相対誤差|R_4|を1%以下にすることができる。また, 31∿32層以上にすれば|R_4| <0.1%とすることができ, 100層以上にすれば|R_4| <0.01%とすることができる。ここでは, 透水係数が深さ方向に双曲線的に変化する場合についてのみ考察した。しかしながら, 他の分布形状について考えた場合にも, さほど大きな変化がないものと考えられる。一般に, フィルターは, 上へ行くほど透水係数が大きくなるように設置されるが, とくにこの様な場合には, 多層系近似精度が良い。これは, フィルターの設計問題において多層系近似法を用いることの有用性を示唆するものである。今後, ここで得られた結果を踏まえて, 水頭降下を伴うGradually graded filterの安定設計について考察する予定である。
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