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https://doi.org/10.24546/0100477607
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2025-05-01
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0100477607 (fulltext)
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0100477607
アクセス権
open access
出版タイプ
Version of Record
タイトル
講演記録 わが国における財務会計基準の国際化
その他のタイトル
Lecture Record The Internationalization of Financial Accounting Standards in Japan
著者
著者名
菊谷, 正人
言語
Japanese (日本語)
収録物名
国民経済雑誌
巻(号)
226(5)
ページ
55-67
出版者
神戸大学経済経営学会
刊行日
2022-11-10
公開日
2023-12-01
抄録
日本の財務会計制度は,明治5年公布の米国型の「国立銀行条例」と明治6年公刊の『銀行簿記精法』に基づく英国型会計実務を模範にして開始され,その後,明治23年のフランコ・ジャーマン型(大陸系)の商法による会計規制を導入し,「他者依存志向国際化」を余儀なくされた。昭和9年には,商法と会計実務を調整する過程において日本初の財務会計基準として『財務諸表準則』が作成・公表され,日本独自の会計基準が形成されていく。大東亜戦争敗戦後には,米国の1933年証券法と1934年証券取引所法を母法とする「証券取引法」が昭和23年(1948年)に公布され,米国の「SHM会計原則」をモデルにして「企業会計原則」が昭和24年(1949年)に公表された。アメリカナイゼーション(すなわち「覇権志向国際化」)の甘受の結果として,戦前からの商法による会計規制のほかに,証券取引法の会計規制が加わり,以後,会計目的を異にする複数の法律がわが国の財務会計・報告制度を強く拘束してきた。1973年6月に「国際会計基準委員会」(IASC)の設立に参加し,1970年代後半以降,「企業会計原則」に欠如していた会計問題について,IASをモデルにして複数の会計基準が作成・公表され,「会計基準の複数化・国際的調和化」の段階に入った。2001年4 月にIASCを改組・改称した「国際会計基準審議会」(IASB)は,「会計基準の国際的収斂」を目標にして独自にIFRSを作成・公表しているが,平成13年(2001年)7月26日に設立された「企業会計基準委員会」(ASBJ)は,IAS/IFRSに収斂する「企業会計基準」を作成・公表している。ただし,IAS/IFRSに収斂している新会計基準は中小企業にとっては過重負担を強いるので,平成17年(2005年)8月に「中小企業の会計に関する指針」,平成24年(2012年)2月に「中小企業の会計に関する基本要領」が公表された。会計基準の国際的収斂に対処するために,IAS/IFRSへ収斂する新会計基準の複数設定化,それに伴う会計基準の階層化・多層化(重層的会計基準設定)が展開されることになった。
内容記述
2022年の前期に経営学部が開講した「国際会計」の第2回の講義(2022年4月21日(木)於:神戸大学六甲台第1 キャンパス本館206教室)では,経済経営学会主催で菊谷正人先生(法政大学・名誉教授(グローバル会計学会・会長))をお招きして,テーマ「わが国における財務会計基準の国際化」についてご講演いただいた。ご講演では,わが国の財務会計・報告制度が,第一に,明治政府による複式簿記の導入・商法の公布等,英・米・独の社会システム・価値システムが移植された「他者依存志向国際化」,第二に,1945年の大東亜戦争敗戦後に米国の社会システム・価値システムが強要された「覇権志向国際化」(アメリカナイゼーション),第三に,1990年代から21世紀にかけての第3の会計革命として「会計基準の国際的収斂」による加速化を経験したうえで,現在のわが国独自の展開・実践化にいたっているという遷移について,詳細かつ克明にお話しいただいた。ご講演内容は,たいへん興味深く,次世代の研究者に受け継ぐ意義があるため,本講演記録が執筆された。菊谷正人名誉教授は,八幡大学,日本経済短期大学,国士舘大学および法政大学で長年にわたって教鞭を執ってこられた。ご専門は,英国会計基準,企業実体維持会計論,多国籍企業会計論,国際会計および租税法等の多岐にわたり,数多くのご業績を残されている。また現在まで,租税実務研究学会会長,財務会計研究学会会長を歴任されるとともに,財務会計研究学会理事,日本会計研究学会理事,日本租税理論学会理事等を務めてこられた。平成30年には,グローバル会計学会を設立なされ,現在にいたるまで会長を務めていらっしゃる。
キーワード
財務会計基準
会計基準の国際的調和化
会計基準の国際的収斂
他者依存志向国際化
覇権志向国際化
カテゴリ
国民経済雑誌
>
226巻
>
226巻5号(2022-11-10)
紀要論文
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資源タイプ
departmental bulletin paper
ISSN
0387-3129
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NCID
AN00090962
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