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https://doi.org/10.24546/0100477741
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0100477741 (fulltext)
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1.75 MB
789
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0100477741
アクセス権
open access
出版タイプ
Version of Record
タイトル
緑茶カテキンによる染色の抗菌性
著者
著者名
長島, 真由
言語
Japanese (日本語)
収録物名
課題研究優秀論文集
巻(号)
2022
ページ
121-140
出版者
神戸大学附属中等教育学校
刊行日
2023-01
注記
令和4(2022)年度
抄録(自由利用可)
抗菌性が高いことで知られているカテキンを強力にかつ持続可能な抗菌方法として役立てるために、本研究ではカテキン染色による抗菌に着目した。理想的な抗菌を実現するためには、強い抗菌効果があり、持続性のある染色条件を見つける必要があった理想的な抗菌を実現するためには、カテキンを繊維に適度な強さで結合させる必要があると考え、最適な濃度条件を求めた。カテキンによる染色を行う上で、銅イオンを含む後媒染剤の濃度を変化させ、最適な染色条件を求める実験を行った。指標として、染色の抗菌力はハロー法で定量化し(1つ目の実験)、染料分子と繊維の結合は、繊維からの浸出液の濃度を吸光度測定により定量化した(2つ目の実験)。1つ目の実験では、銅イオンとカテキンを用いて染色した5種類の繊維の抗菌作用をハロー法で検証した。銅イオンが含まれているものであれば、ある程度高い抗菌性が見られた。2つ目の実験では、分光光度計による吸光度測定を用いて、染色した製品を水に浸したときの、水中のカテキン、銅イオン、銅カテキン錯体の濃度を測定し、結合力を定量化した。結果は、銅イオンが過剰に含まれていないものだと浸出液中の吸光度が低く、繊維と染料との結合力が強いというものだった。この結果から結合力の強弱が適当であった為に、長期間安定した抗菌性を持つ染色条件が明らかになった。その濃度では、カテキンと銅イオンが過不足なく結合していると思われた。その条件を明らかにするために、銅イオンとカテキン錯体が飽和で結合する濃度を定量化する実験を追加した。カテキンの濃度は一定のまま、銅イオン濃度を変化させ、全体の吸光度の変化をみることで、錯体がどのように形成されるかが明らかになった。銅イオン濃度に比例して吸光度が増えていくことがわかったものの、飽和となる点が現れる濃度よりも大分低かったことから、銅カテキン錯体の平衡定数を求めることはまだできていないが、結合力の高さを明らかにすることができた。今後の展望として、染色の平衡定数を算出し、理想の染色濃度比を求めたい。この緑茶カテキンによる染色に着目することで、天然抗菌物質の抗菌性の性質を踏まえ、持続可能な抗菌製品など、それぞれにあう活用の仕方を探求することに繋がるだろう。
カテゴリ
課題研究優秀論文集
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2022号(2023-01)
紀要論文
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departmental bulletin paper
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