81002985

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センゴ コウベ ニ オケル ヤミイチ ノ ケイセイ ト ヘンヨウ サンノミヤ ジユウ イチバ ノ ジレイ オ チュウシン ニ

The Formation and the Transformation of the Black Market in Kobe after World War II : The Case Study of the Sannomiya Jiyu Ichiba

Japanese (日本語)

神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要

4(2)

69-81

神戸大学大学院人間発達環境学研究科

2011-03

2011-06-07

ヤミ市は、戦災復興期の日本における生活再建と都市復興の胎動の集約現象のひとつである。そのヤミ市から「マーケット」や商店街が派生していく過程は、行政、警察、進駐軍といった公的権力と、戦後日本社会の特殊事情を背景にもつ民間諸集団との間に生じたポリティクスの、都市を舞台にした空間的表象にほかならない。本稿では三宮のヤミ市を事例として、『神戸新聞』の1945年8月15日から1947年6月30日までの全紙面に対する分析と検討を通して、ヤミ市の発生から解消までの軌跡を追った。1945年9月、高架下に発生したヤミ市は、翌年にかけて路上バラック店舗群へと拡大し「三宮自由市場」と称された。同年11月に始まる県の取締りは抜本的な効果をなさず、商人の組織化による自治的統制が図られた。拡大を続ける三宮自由市場に対して、1946年8月から9月にかけて大規模撤去が行われた。この目的は交通妨害・治安維持・土地不法占拠の解決であった。撤去対象となった南側舗道上・緑地帯内にみられた路上店舗群は分散して集団移転を行い、複数のマーケットが形成された。このマーケット化の代表的な事例として、国際マーケットの形成、高架下における店舗の形成プロセスを明らかにした。

紀要論文